2010年6月8日火曜日

「チャンス」と「モチベーション」の順番






今日書くことは、賛成の人も反対の人もいると思うので、
読んでくれた方は自分はどちら側か、ちょっと考えてみてほしいです。

今日のテーマは、「チャンス」と「モチベーション」です。
この二つ、どちらが先にくると思いますか?

つまり、チャンスがあるからモチベーションが上がるのか、
モチベーションがあるからチャンスがやってくるのか。

①責任ある仕事(チャンス)を与えられれば、モチベーションが上がると言えるし、
②やる気がある仕事ぶりをしていれば、周りに評価されてチャンスがやってくるとも言える。

実際、どちらなのかはケースバイースで、どっちもありえるのが普通だと思います。
僕が会社の経営者だったら、社員のモチベーションを上げるために、
①と②の両方を使って効率的に働いてもらいたいと思います。

(もちろん、責任ある仕事=モチベーションになる人もいればそうでない人もいます。例えば、もともと働くのが嫌な人は、責任ある仕事=時間がかかる仕事=めんどくさい、となり、モチベーションにはならない)

しかし、日本の社会は②の方式のみで成り立っています。
つまり、チャンスの前にモチベーションを求められる社会です。

「信頼こそ企業の命」
「信頼を、失うのは一瞬だが得るのには長い時間がかかる」
「信頼は積み重ねるもの」

こういう言葉があるように、
「今までに信頼に値する行動・成果を出してきたかどうか」を最重要視し、物事を決めます。

例えば、ほとんどの新入社員には責任ある仕事を与えられることはなく、
数カ月~数年は下積み的な仕事をすることになります。

先週の外大就活イベントで社会人のスピーチの中にこんな一節がありました。
「みなさんが社会人になって働いてみると、自分が描いていた仕事のイメージとはかけ離れていることが多く、その事実に愕然とするでしょう」

僕自身、ここには共感するところがあります。
どんな仕事がしたいか、どんな仕事が自分にあっているかの自己分析から、
大量のエントリーシート作成、将来の目標、
理想の仕事を考えたりするプロセスを通して、
仕事に対してやる気になってくるのは自然なことだと思います。
うまく内定をもらえれば、やる気はもっと上がるだろうし、内定をくれたことに感謝していっぱい働いて会社に恩返ししよう、と考える学生がいるのも不思議なことじゃない。

でも実際は、入社してしばらくは自分がやりたい仕事はさせてもらえない可能性のほうが高い。
そこでショックを受けてモチベーションを失う人はいるだろうし、実際に僕も同じような経験をした。

重要なのは、
日本社会ではこれが悪いことだ、という一般的な認識があるということ。

上のスピーチの一節は、まさにこのことを言っています。
つまり、やりたくない仕事でも新入社員のうちは嫌な顔せずやれ、
やらない人は評価されない、ということ。

でも、少し考えてみてください。
ここまでやる気と、理想と、希望を持った学生が、社会に出てこの現実を知ったら
ショックを受けてモチベーションを失うほうが自然だと思います。
逆に、そういう若者にチャンスを与えない会社・社会がおかしいと思いませんか?

少なくとも、チャンスを求めてやってきた若者に
チャンスを与えないで、モチベーションだけ上げろというのは、
とても理不尽に聞こえます。

さて、日本の社会と比べて、
欧米の社会は、①と②の両方の方式で成り立っています。
つまり、モチベーションを求められる前にチャンスをもらえる場合もある社会です。

僕の友達でアメリカで働いている人が何人かいますが、
彼らは自分がやりたいと思った仕事をしているし、責任ある仕事をしています。

ポジション採用が基本なので、明確に仕事内容が決まっている仕事をもらうのが普通です。
つまり、自分がやりたいと思わない仕事には、学生は最初からその仕事に応募しないし、
その仕事が決まってから、会社から違う仕事をしてね、と言われることはない。(なぜなら契約違反になるし、訴えられる可能性だってある)

アメリカでも人事考課はもちろんあるし、できる人にはどんどん与えられる仕事が大きくなる。
でも日本との違いは、最初からやりたい仕事ができる、ということだ。
(もちろん、その仕事が手に入るかどうか、という問題はある。
実際に、若者は仕事のスキルが少ないため=日本の会社のように若者を育てる文化がないため、若年失業率は日本より相当高い)

つまり、まずやらせてみよう、という感じで、
アメリカはチャンスを先に与える社会だと言える。

モチベーションが先か、チャンスが先か。

僕は、チャンスを与えられるからこそモチベーションは上がるもの、だと思います。
なぜなら、モチベーションはどこからともなく自然に発生するものではないからです。

それとも、そんな風にモチベーションを上げる方法って実はあるんでしょうか?
あるなら知りたいですね~

2 件のコメント:

  1. チャック全開くん2010年6月9日 12:24

    ベンチャーだと若くして責任ある仕事を任せてもらえるとこが多いよね。
    若い人に任せないというシステムは終身雇用の中での、一生同じ企業に勤めるという前提あっての教育システムだから、もう日本の現状になじまなくなってきてるのかな。

    返信削除
  2. そうだね。
    実際、もう終身雇用なんてないと思ったほうがいいと思う。
    あると思ってて、歳取ってからないのか!!
    って気付くより、
    終身雇用なんてない、と思って危機感を持ってるほうが結果的に将来安心できるんじゃないかな。

    ベンチャーが若手に仕事を任せやすいのは、ただ人をたくさん雇う余裕がないから、っていう理由もあると思うよ。

    それだとしても、まずやってみることって大事で、人は教えられてるときに成長するんじゃなくて、自分でやってるときに一番成長するんじゃないかなと思う。

    そういう意味で、若い人にまず仕事を任せてみよう、っていう考え方の企業・上司がいればそれはすごい幸運なことだね。

    返信削除