おそらく多くの人は
海外で生活するには英語(外国語)ができないとダメだと思っている。
実際にそれは正しいです。
仮に家に引きこもっていたとしても、
スーパーで食料品を買わないといけないし、
レストランで注文できないといけない。
海外でこういった最低限の外国語ができなければ死活問題になります。
じゃあ海外で仕事をする場合はどうか。
普通は、こう思うでしょう。
「外国語で仕事ができるなら、その言葉が流帳である証拠」
一見その通りに思えますが、これには例外があるのです。
僕の知り合いで、アメリカ、ヨーロッパ、中国で数年間
海外駐在していたAさんがいます。
英語どころか数ヶ国語を話せるスゴイ人だと思っていましたが、
本人は「全然そんなことはない」と言うのです。
その証拠に、
「レストランで注文もできなかった」と言うのです。
「外国語を使って仕事ができる人が、レストランで注文もできない」
というのは矛盾していると思うかもしれませんが、
これは実際に起こり得ることなのです。
Aさんの場合、化学系の企業だったため、
「言葉が分からなければ、化学式を伝えれば通じる」
と言っていました。
つまり、仕事の専門性(理系度)が高いため、高い言語能力がなくても
同僚やお客さんとコミュニケーションが取れてしまう、ということなのです。
僕の後輩で太陽電池の研究をしてる人がいて、
今度、学会の発表でシアトルに行くそうです。
正直言って「おまえ英語できたっけ?」というやつで、
ほとんど英語はできないし、もしアメリカに置き去りにされたら、
リアルに飢え死ぬ可能性が高い。
だけど、太陽電池についての専門知識がすごいから
多少英語ができなくても、研究者同士ではコミュニケーションが取れてしまう。
たぶんこっちは、単語がわからなかったら数式で伝えるのでしょう。
こんな風に、理系の専門知識は時に言葉を超える。
だから、僕がアメリカに留学していたころも、
工学部・物理学部の外国人留学生には英語ができないやつが多かった。
これは、彼らの言語能力が特別劣っているわけじゃなく、
そもそも英語がそんなにできなくても、授業に付いていけるということ。
つまり、工学系の専門知識が英語能力の低さを補っていると言える。
つまり、工学系の専門知識が英語能力の低さを補っていると言える。
これが逆に、哲学・社会学・政治学と言った人文学系の場合、
高度な英語運用能力が必要になるので、
そもそも英語ができないと授業に付いていけない。
これは工学と政治学の教科書を見較べれば一目瞭然!
工学の教科書は図・写真・数式ばっかりだけど、
政治学の教科書は難解な単語ばっかりです。
これは工学と政治学の教科書を見較べれば一目瞭然!
工学の教科書は図・写真・数式ばっかりだけど、
政治学の教科書は難解な単語ばっかりです。
普通の外国人にとって、弁護士や営業といった
高い外国語能力を必要とする職業に就くことは難しい。
でも、理系度が高い職業(エンジニアとかIT技術者)であれば、
言語能力の低さを専門知識で補完することができるのです。
普通、「英語ができる」と聞くと、生活面での英語ができると思いがち。
ショッピングに行って店員としゃべったり、
映画館で外国語の映画を字幕なしで見たり、といった感じです。
海外で暮らしてて、こういった生活面を外国語で過ごす。
多くの人にとってこれは外国語を勉強する楽しみであり、憧れでしょう。
でも実際は、そんなプライベートで使う英語はサッパリできなくて、
仕事面での英語ができるだけという場合もあるのです。
生活面での英語能力と、
仕事面での英語能力は切り離して考えたほうがいいのかもしれません。
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