2010年4月12日月曜日

新入社員研修で合宿させる本当の理由

ついに社会人になってから1年が経ってしまいました。
時間が経つのが恐ろしく速いです。

さて4月と言えば、新人研修ですね。
それぞれの会社でいろんな研修があると思います。

よく聞くのが合宿をベースにした研修です。
ウチの会社でも実はやってます。
中小企業だけどがんばってるなーと思います。
あれけっこう高いらしいですよ。ウチの会社が利用しているプログラムは一人20万円ほどかかる、と聞きました。ちなみに4泊5日です。

まぁ5日間まるまる研修するとして(実際そういう研修でしたが)1日4万円。
大卒を1日拘束したら1万円くらいかかるし、宿泊費(お寺だったので安いのかも5000円/1泊くらい?)、食費(1日2500円くらいかな)、

てことでほんとに単純に計算して17500円/1日のコスト。講師に1日1万円くらいあげると、27500円のコスト。残りはその研修プログラムを提供している会社に行くとなると、結構利益は少ないんじゃないかなと思えてきます。(最初は1人20万、って聞くとすごい高いと思いましたが)

コストはともかく、なんであのような合宿型の研修をする必要があるのか、疑問に思いません?
僕のアメリカ人の友達は研修なんてなかったって言うし、シンガポールではあるけど、合宿じゃなくて1週間くらい仕事に行かずに所定の場所で講義形式の研修を受けると聞きました。

おそらく業界でも違うんだと思います。
東京でIT関係の仕事に付いている友達は、普通にIT関係の授業(座学)だったそうです。

大企業なんかの研修ですごい怒鳴られてるような映像とかもたまにテレビのドキュメンタリーで流れたりもしますね。

座学的な研修はともかく、精神的な研修(合宿)は海外では聞いたことがありません。

なんで海外でやってないのに、日本でやってるのか、と純粋に疑問に思いました。

これについていろいろ調べようかと思ったんですが、Googleでもヒットしないし、友達でも納得が行く形で説明ができそうな人が見当たらなかったので、「海外ニートのブログ」を参考にさせてもらって考えてみました。

答えから言うと、 「仕事に対する本気度の違い」だと思います。

日本を一歩出ると、仕事は何よりも優先される最重要なこと、という(日本の)常識が崩れます。
というか、嫌でも気付かされます。

アメリカを例にするなら、スーパーの店員は態度が悪いし、警備員のおっちゃんはガムをぺちゃくちゃ噛んでるし、ファーストフードの店員なんてもっとヒドい。

どれだけ低い給料をもらっていても、こういう態度で仕事をすることは日本では社会的に許されませんね。

でもアメリカでは別にいいじゃん、となる。それは店員も仕事に高い本気度を求められていないし、お客さんもそれを期待していないから、だと思います。
日本は逆に、(アメリカと比べて)店員は仕事に高い本気度を求められていて、お客さんもそれを(当然のように)期待している。

(ちなみに日本のレベルの高いサービスは世界的に見ても有名だそうです)

つまり全体の仕事の本気度は違うけれど、両方とも社会としては機能しているということです。

でも、仕事の本気度が高いと、やっぱりしんどい。機械と一緒で、フル稼働していたら壊れやすいのと一緒です。
でも人間は機械とは違う。
つまり、好きなことならどれだけやっても苦にならない、という人がいるからです。

この仕事が天職、と思う人はこういう人たちです。

実は、会社が一番欲しいのはこういう人たちです。
社員全員がみんな自分の仕事を天職だと思っているとき、(少なくとも人材面で)最高の効率を出すことができます。(しかも社員は幸せである点が重要)
つまり、ビジネスでよく言われるウィンウィンの関係の完成です。

新入社員研修で会社が新人に伝えたいこと、はつまりこれだと思います。
「今の仕事を自分の天職だと思いなさい」
この1点を信じさせるために研修プログラム(合宿)をしているに過ぎないんです。(と僕は思います)

僕が参加した研修では、講師の方はこのことをハッキリ言っておられました。
人生のうち、仕事が占める時間は3分の2くらい=その人生の3分の2をつまらない仕事と思ってやるよりは天職と思ってやるほうが結果的に幸せな人生になる。だそうです。
(この文言は1語1句覚えています)

論理的に聞こえますが、それはその仕事が実際に天職じゃなくても、天職だと信じれば人生幸せになりますよ、と言っているのと同じです。

これってとても危険だと思いません?
極端に悪い例を使えば、これは自爆テロの犯人が洗脳されて敵地に乗り込むのと同じ状況だと思います。自爆テロの犯人も同じく、自爆する直前まで最高に幸せな気分なのだそうです。
これと同じで、
わざわざ合宿してまで精神的なトレーニングをする理由は「洗脳」するためです。外界から閉ざされた環境で、ある1つの考え方を体と感情で覚えさせる。
これは明らかに洗脳。

その仕事が自分にとって天職かどうかくらい自分で決められる!って思います。

新卒を採用したがるのもこういう理由があるのかな、と思います。
つまり新卒は洗脳しやすい。会社の色に染める、というのはその仕事を天職だと思ってもらう、という意味だと思います。

だから研修で怒られたからって落ち込む必要はないんです。
大事なのは、その仕事が自分の天職かもしれないけど、天職じゃない可能性もあるってこと。

それはこれから仕事をするうちにわかることだと思います。

Believe yourself!

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