2011年3月16日水曜日

地震後に企業CMが消えた理由


松本考行氏のブログにこんなことが書かれていました。

地震関係以外のつぶやきは不謹慎なの?
http://matton.blog91.fc2.com/blog-entry-706.html

松本氏は、
ツイッター上で自身のイベント告知のつぶやきをしたところ、
「それは不謹慎だ」
と文句をつける人が多かった、と指摘し、
これは言論の自由を侵害している、と主張しています。

極端な例では、
「散歩に行く」とツイッターでつぶやいたら、
「不謹慎だからやめろ」
と言われた芸人の例など紹介しています。
私はこれをすごく危険なことだと思うのです。不謹慎だからやめろと言論に制限を与えることをわざわざ一市民の人たちがやるということは、自分たちの発言の権利を自らが削っていることに過ぎません。まるで戦争に反対する人たちを非国民と罵ったあの時代と変わらない雰囲気が、ネット上にはありました。言論の自由を脅かすようなことに対しては、私も断固たる決意で反論せねばならないと思っています。
もしこれをそのまま放っておけば、ドンドン不謹慎の拡大解釈がなされ、発言自体が難しくなりかねません。  
(同氏のブログより一部抜粋)
僕は、松本氏の意見に賛成です。
節電など、協力できる分野では協力するべきですが、

「被災地外に住む人が普通の生活を送ってはいけない」
ということではないはずです。

この「不謹慎という言葉の拡大解釈」は
すでに現在のテレビCMで起こっています。

お気づきの方も多いと思いますが、
東北の地震後、日本のテレビ局のほとんどは
通常の企業CMを放送していません。


おそらく、企業自身が、広告活動を不謹慎だと感じる一部の消費者の反応を避けるために、自粛していると思われます。


でも、そのCM枠はテレビ局からすでに買ってしまっているので
仕方なく公共広告機構(AC)という団体が
数種類の公共CMを繰り返し流し続けています。

これは企業のリスク回避の行動とも言えます。
「あの会社は、東北の人達が被災している間も金儲けか!」
というクレーマーがいたら、ネットで炎上する可能性もあるからです。
企業にとって、そんなところで損失を出すくらいなら、
買ってしまったテレビCM枠を手放すくらい安いものです。

つまり、
企業は不謹慎だからCMを自粛しているのではなく、
CMに反応して「不謹慎だ」と言う、
一部のクレーマーのために自粛しているのです。

ただ、これがよろしくない点は、
経済という面で見た場合、
ACの広告にはなんの経済効果もないことです。
(東北の人への義援金が増える可能性はありますが・・・)

企業が広告を出さなければ、当然モノは売れなくなるし、
その分市場に流れるお金が減るということです。
つまりこれは日本経済の縮小を意味します。
(どちらにしろ成長はしていませんが・・・)

そもそも、
今のような状況の中で、企業が普通にTV広告を流すことが、被災者の方々にとって本当に不謹慎なことなんでしょうか?
被災者の方々は本当に不愉快に思うのでしょうか?

感情的に、「不謹慎だ」を連発しているだけでは、
誰にとってもプラスにならない、と思います。

3 件のコメント:

  1. 走り去る自転車男2011年3月17日 23:16

    こちらのブログにコメントさせていただくのは初めてです!

    どうも最近、TVでCM見ないとおもったらそういうワケでしたか・・・

    自分も震災に関係ないツイートはしばらく控えないといけないのかな?と心配していました
    が、松本氏の意見をみさせていただいたら少し気が楽になりました。
    これからは、びくびくしないでツイッターできます。

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  2. 自粛の名の下に日本の経済を停滞させてしまったら被災者にとってもマイナスではないでしょうか?早く通常の生活を取り戻し経済を動かさないと大変なことになるのでは?またネットによって一方向に人々の考えが流れているようでとても恐怖を感じます。テレビ局もその旨告知して放送する義務があるように思います。

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  3. 走り去る自転車男さん
    コメントありがとうございます。
    そうですね。気にせずツイッターしてください。
    「天罰」とか言わない限り問題ないと思います。

    香代さん
    コメントありがとうございます。
    テレビ局は公平性をモットーにしているので、自分たちの意見を言うようなことを期待することは難しいかもしれません。
    やっぱりここはネットのような場で様々な意見が出てくることが重要だと思います。

    この問題に関しては、どちらかが一方的に正しい、ということはないと思います。
    ただ、(マジョリティに反して)松本氏のような考え方をしても全然間違っていないわけです。

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