2011年4月30日土曜日

「褒めて教える」は間違っている

人に何かを教えるとき、優しい人ほど褒めて教えようとします。
教えられるほうも、
褒めて教えられたほうがやる気を保てるし、理解が深まる。

これは、多くの人に当てはまるし、実際、「教え方として正しい」。

ただ、この教え方は必ずしもベストではないのです。

僕が高校生だった頃、
上山奨学財団が募集していた「高校生海外派遣プログラム」
に応募したことがあります。
中国の4都市(北京、上海、西安、南京)に訪問し、
現地の高校生の家にホームステイするなど、
日中の文化交流を目的とするものでした。

応募するには書類審査、推薦書、小論文、英語・日本語面接などがあり、
高校生の僕には十分すぎるほどのボリュームと難易度でしたが、
最終的には審査に受かり、研修プログラムに参加することができました。

ただ、
今だから言うけど、全く自分の実力で受かっていなかったのです。

というのも、
論文などは当時の英語の先生によって大幅に加筆・修正されていたし、
面接に受かる戦略・ワザなども一から教えてもらっていた。
英語面接の原稿なんて、ほぼ100%書き直してもらったので
最終版の原稿は別人が書いた文章みたいになってしまったのです。

「ちょっとくらい自分の文章を入れないとカッコがつかない」、
と思って反論したりもしたけど、あっさり負けて結局そのままで提出。
どうも「自分でやり遂げた感」というか、
達成感が味わえなかったのです。

でも、論文の質が劇的に上がったのは事実だし、
それによって文章力がついたのも事実。
その先生が僕にとってのメンター(信頼できる師)になったのも事実だし、
研修プログラムに参加して、一生モノの経験ができたのも事実。

つまり、僕にとってプラスになったことばかりなのです。

でも、世の中の多くの先生は、このように生徒のオリジナル文章を
すべて書き換えてしまうようなことはしません。
そんなことをしたら生徒の想像力を殺すことになるし、
全部書き直しされた生徒はショックを受ける、と思っているから。

でも実際は、僕の例のように、
いい手本を見ることで、学べることはとても多いのです。

これは仕事でも同じ。
例えば書類の書き直しを指示するとき、
あえて何が間違ってるのかはっきりとは言わずに
「ここがおかしい」とだけ言う人が多いと思います。

「自分で考えさせて何が間違ってるのか気付かせないと成長しない」
と思っているから、だと思いますが、
そんな回りくどい方法を取るより、
完璧な手本となる書類を見せたほうが理解は速いと思います。

実際、僕の先輩が、僕の作った資料を一蹴した後、
手本になる完璧な資料を作ってきてくれて、感動したことがあります。

結局、
僕が「いい資料」が作れなかった理由は、
「いい書類」を見たことがなかったから、なんだと思います。

「褒めて教える」ではなく
「否定して、完璧な手本を見せる」ことが
人に何かを教えるための重要なポイントだと思います。

1 件のコメント:

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